そもそも…”悪”って?


『写真は12月11日・神田周辺』




映画『ハンナ・アーレント』を満員の岩波ホールで妻と鑑賞しました。




1961年、中学3年生だった私は
世界が注目したアイヒマンの裁判を鮮明に記憶しています。
アイヒマンは600万人のユダヤ人を殺害したナチスの「死の工場」を指揮し
逃亡先のアルゼンチンでイスラエル諜報部モサドによって拉致され
翌年イスラエルで裁判が行われ、アイヒマンは処刑されます。




映画は…ユダヤ系ドイツ人でアメリカに亡命し高名な哲学者となって
大学でも教鞭を取るハンナ・アーレント
雑誌「ザ・ニューヨーカー」がアイヒマン裁判のレポーターを募集している事を知り、
自ら応募し、彼女なら素晴らしいレポートを書いてくれるだろうと多くから期待され
エルサレムに向うまでをハンナの広い交友関係を紹介しながら展開します。




ところが彼女が被告席に座る憎きアイヒマンを凝視し続けて確信した事は…
アイヒマンは極悪人では無い!どこにでもいる社会や組織の歯車の中で
命令に従って任務を忠実に行った小役人に過ぎないと!…




その連載記事が「ザ・ニューヨーカー」に掲載された瞬間から
アーレントアイヒマンを擁護するのか!…との大非難が沸き上がり
ユダヤ人社会からも糾弾され、友を失い、大学からも退職を求められます。
映画のクライマックスは学生や大学での8分間のスピーチ。
「最大の悪は非力で平凡な人が行う悪なのだ…」と
大学生は大きな拍手で応えますが、組織や社会の歯車から逃れない?
大学関係者は不愉快に席を立ち、学生時代からのユダヤ人の親友も去って…
映画は一人書斎で煙草を燻らせるアンナと窓からのニューヨークの夜景の
長いロングショットでのエンディングは私たちに強く問いかけます。




広島と長崎で多くの市民を殺戮する為に原爆を投下したアメリカ兵と
アイヒマンにどれだけの違いがあるのでしょうか。
もし原爆投下を事前に知った軍人が自分の良心に従い情報を流してしまえば
軍法会議で最高刑に処せられるでしょう。
安倍ちゃんも、石破くんも…決して極悪人では無い
どこにでもいる平凡な日本人の一人だと私は思っています。(^_^;)




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