M氏の倒産！…２
まもなくクリスマスですが…
クリスマスといえばケーキ屋さんの最も忙しい時です。
そこを乗り切って倒産すれば少しは負債が少なくなったかも知れませんが
それでは取引業者により大きな迷惑をかける可能性もあります。
そもそも、この不況ではクリスマスだからといってケーキが売れる保障もありません。
１８歳からケーキ職人の道を歩み６０歳になって初めてケーキを作らない
クリスマスを過ごすと、苦笑いするM氏ですがどこかホッとした感じです。
サラリーマンなら定年で”おめでとう”というところですが、退職金はおろか
３億円の負債と抵当に入っている自宅も３月に出なければならなようです。
幸か不幸かM氏はバツ２の独身で、家族の心配はありません（＾_＾；）
私は彼の２度の結婚式に両方とも参加しましたが、いずれも若い女性でしたが
１年ほどで離婚してしまいました（＾_＾；）
パティシエとしての外面の華やかさと現実の厳しさにギャップがあったのと
M氏が最も愛したのが”ケーキ”だったと私は分析しているのです（＾_＾；）
私がM氏と出会ったのは今から３０年ほど前、すなわちM氏が３０歳の頃で
新進気鋭のパティシエとし注目を浴びていたM氏を店の看板として高給で雇い入れ
あまりもの職人気質で、経営の私とはいつもブツかっていました（＾_＾；）
そんなM氏が自分が経営者になって５０名以上の人たちを雇用して
７店舗に目を光らせるのは大変です。
私は「店舗は増やしてはならない！」と当初から言っていたのですが
経営が厳しくなっていくのに比例して、店舗が増えれば日銭も多く入る…
そのうち景気回復したらとの甘い考えの中で
管理体制もズサンになっていったのです。
そんな中でM氏のこだわりの商品も効率性や採算を優先せざるを得なくなり
M氏の作品とはかけ離れたものも多くなって自滅したのです。
しかし…色々な事を経験したM氏が原点に戻って
何よりも愛する”ケーキ”にコダワリ抜いて、店舗も持たず経費もかけず
楽しくやっていけば必ずヒカリが見出される…
それが２１世紀の正しい生き方だと私は確信しているのです。
たとえ、それほど儲からなくても（＾_＾；）
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