利益を求め続ける宿命


ITやインターネットが駆使され、また保険の自由化で次々に新しい商品が開発され
とても便利になったようですが…それは”誰のため”に行なわれているのでしょうか?



保険という商品は、一般的な商品とちょっと違った性格を持っています。
工業製品とか医薬品とか電子部品とか映画等の興行とか…
一般的商品はそれを提供する企業の技術開発や企画力で、
消費者も企業もWinWinの商品や作品が生まれます。
しかし、保険という商品は消費者も企業もWinWinという画期的新商品が誕生する
ことがあるのでしょうか?
私の二十余年の保険代理店経験から見る限りですが、消費者にとってWinの商品は
なぜか?発売中止になって、新しく発売される保険商品は保険会社にとってWinな
商品になっている傾向があると思うのですが、いかかでしょうか?



すなわち、次から次に開発される保険商品が本当に消費者にとって良い商品なのか?
という事も、疑ってかかる事も必要はあるということです。



頭の良いアクチャリーや優秀な社員が知恵を絞って保険会社が
充分に収益を上げられるような画期的?保険商品を開発するかもしれません。
でも、そのよう商品はたいてい複雑に出来ていますから(^_^;)そう簡単に売れません。
保険自由化で競争も激化し、コストのわりには収益があがりません。



自動車保険は一台のクルマに何社もの保険をつける事が出来ません。
クルマがどんどん増えている時代ならともかく、保険会社ばかり増えれば
おのずとパイの取り合いになります。
市場がどんどん拡大している時代ならともかく、今のような低成長時代では
自動車保険に限らず、多くの保険で同様の事が言えるのです。



だからと言って私は保険のマーケットが全て頭打ちだとは思っていません。
まだまだ未知の分野が数多くあるはずですが、そちらには手をつけず…
自動車や火災や第三分野といった飽和状態のマーケットに多くの保険会社が
しのぎを削ろうとしているところにもムリがあります。



ちなみに、私はある特殊な団体の賠償保険を十数年間無事故で契約を
頂だいていたのですが、業務の見直しの中でリスク区分に該当しないとのことで
保険会社が更新が出来ないと言うのです。
この事を契約者に了承して頂くという後ろ向きの作業には落ち込みました。



ようするに…
飽和状態でゼロサムのような保険分野に保険会社がよってたかって
色々な保険商品を開発して収益をあげようとするわけですから、
それをムリヤリやらされる社員や代理店は疲弊し消費者が犠牲になる…
これはあくまで私の視点です(^_^;)



でもなぜ、こんな事をやるのでしょうか?
それは保険会社も営利企業であり、その後ろに株主や投資家がいる以上
収益を求め続けなければならない宿命をもっているからではないでしょうか。



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