今回の”生保不払い報告”で思うこと


また生命保険不払がニュースになっています。



今年4月に生命保険会社が金融庁に提出した不払い(01〜05年度の5年間)の
中間報告から半年の調査期間を終えて
全38社中、大手を含む24社の”不払い”が発表されたものです。



4月の中間報告より件数で約3.5倍、金額で約2.8倍に膨らみました。



叩けば幾らでもホコリが出るという印象ですが(^_^;)
”不払い”の定義が保険会社と金融庁で少し違ったり、
厳しくなっている事もあるようです。



でも不思議に思うのは、保険会社は金融庁の方向ばかり見て、消費者の方向は
ほとんど見ないのが”保険業界”と私は思っていたのですが…
今までどこを見ていたのでしょう(^_^;)
金融庁だって保険各社に対して商品の認可や経営や財務に厳しく
係わってきたですから、5年間の不払いに対する責任がゼロとは
言えないはずです。
 


今回の不払いで問題になっているのが【失効返戻金】のようです。



契約者が何らか理由で保険料が払えなくなった場合、
貯まっている解約返戻金から保険料を取り崩していく
自動振替という機能が生命保険にはあります。
やがて解約返戻金が毎月の保険料より少なくなった時に失効してしまいます。
この時、保険会社には1ヶ月分(月払いの場合)に満たない解約返戻金が
【失効返戻金】として残るわけで、それを契約者に返さなければなりません。



金融庁は、それを返さないのも”不払い”として保険会社に厳しく迫っているようです。
でも、これに対しては保険会社も少し抵抗しているようです(^_^;)



契約者の意思で保障が切れたら困るけど解約返戻金から保険料が
払えるまでは継続させて失効させたという場合なら
ごく僅かな【失効返戻金】でも契約者は受け取るはずです。



また契約者が行方不明になった場合は
解約返戻金を食い尽くすまで保険は継続され最後に【失効返戻金】が残る
わけですが行方不明では【失効返戻金】は返せません。
…これは保険会社も正当な理由になるでしょう。



問題は、契約者は保険料も払わず解約したつもりでいて、
その時に受け取れる解約返戻金の事はまったく知らずに、契約が数年継続され
僅かな【失効返戻金】が残った場合です。
もちろん本人の思い違いだけなら大きな問題にはならないと思いますが
そこに”募集人”がからんでいたらややこしい事になります。
実際の私が生命保険診断をした時に、そんな例を見つけました(^_^;)



さらに問題なのは、
一昔前なら、少なからず行なわれたと思われる、
募集人がノルマ達成の為にしていた”無理な契約”です。
【失効返戻金】を契約者に返す事によって新たな火種と
なって、別の問題に飛び火するかもしれません。



金融庁はどこまで知った上でやっているのか?私には全くわかりませんが…
このようなモグラ叩きのようなことをやっていて
保険業界の体質が大きく変わることが期待出来るのでしょうか?



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