ネット時代!保険の歩き方 (39)


私は、ある特殊な賠償責任保険を長年、扱っていたのですが
この春で、その保険を販売する事が出来なくなりました。



話しは20年ほど前に遡りますが、ある知人から
「腰痛治療の療法をする施療師の為の賠償保険はないか?」
という相談を受けました。
保険の仕事を始めたばかりの私は担当社員に相談し、その療法や団体の
詳しい資料を揃え、特別な約款と保険料を算出してもらい
年間保険料36000円で一律補償の保険を扱うようになりました。



その後、担当者が変わるたびに「この保険の算出基準を出せ!」
と言われるのですが、そのたびに私は「当時の担当者に聞いてくれ!」
と言い続けていたのですが、この春ついに
「引き受け基準に該当しないないので、引き受けが出来ない!」と言われました。
 


この保険の契約者がマッサージ師の資格をとると、これと同じ程度の補償をする
保険に年間2000円位で加入出来る保険に移っていくため、
高齢で自宅で細々とやられている方達がほとんどになっていたのです。



この保険を引き受け時点での判断がどうだったかは
代理店である私がウンヌン出来る事ではありませんが、
通常の20倍近い保険料を取り、20年近くも事故がなく今日まできて
契約者から頼りにされている保険を
「引き受けパターンに該当しないから廃止します」との一方的に
打ち切られた契約者は納得するでしょうか。



私は担当者に、「その旨の案内書を出すから、保険会社の見解を書いた文書を
添えたいので書いてくれ!」と言ったのですが…
業務停止命令や意向確認書のゴタゴタで、取り合ってももらえず
7月の人事異動で転勤してしまいました(^_^;)



社員がとても忙しいのは判ります。
でも、その忙しさが、どこを向いての、何のための忙しさなのか?
私には、どうにも理解が出来ないのです。



少なくとも契約者の方を向いていれば、20年間も高い保険料を支払って
契約を継続して頂いたお客様に、このような対応は出来ないはずです。
意向確認書のゴタゴタも…
そして、保険引き受けのパターン化も…
どれをとっても私には「お客様の方は向いてない」と感じるのです。



どうして、こうもパターン化・マニュアル化を急ぐのでしょうか?
私は担当者に何度も「なぜ?」と聞きましたが
「そういう決まりなのだから…」「そうなっのだから…」と
何時もの紋切り型の回答パターンです。



多分、担当者もどのような保険である事も忘れているのでしょう。
思考停止を自らさせて、押し寄せる業務をこなすのに精一杯の
ロボットのように私に見えて、相談する気もなくなります。



保険を売り止めにする事は保険会社の判断ですから…
代理店がトヤカク言える事ではないと思います、しかし
だからこそ、保険会社が契約者に対してちゃんと対処して欲しい
と思うのですが…。



パターン化・マニュアル化も必要かもしれません。
しかし思考することまで忘れてただ忙しく
「そういう決まりですから」…マニュアルを見ながら突進し
その先に何が見えるというのでしょうか?



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