ネット時代!保険の歩き方 (36)


今回は、保険会社の大型代理店による効率的営業戦略が
契約者すなわち消費者にとってのニーズを満たすものなのか
考えてみたいと思います。



消費者は保険に何を求めているのでしょうか?



私は毎日、匿名の相談者からメールを頂き保険相談にのっています。
その中で、よくあるパターンは相談者が最初から、
「保険料の安い終身保障の○○のような医療保険に加入したい」
と、言ったような具体的なニーズを持っての相談です。



私はそのような相談者に対しても、
「なぜ?そのような商品を求めるのか?」と理由を訊ねます。
そして、相談者のもっと深いニーズを掘り起こしていくと、
最初に希望した保険では相談者のニーズを満たさないことが判って
イチから保険相談をやり直す事が多々あるのです。



効率性を追求すれば、
また…最近よく見るようになったショップ型代理店なら
お客様のニーズを聞いて、何枚かのパンフレットを並べて、その中から
選んで貰えれば、その場ですぐに契約出来てしまうかもしれません。



しかし、私が数多くの相談者と、しかもそれぞれ長い期間をかけて
じっくりメールのやり取りをしている経験から言わせて頂くと…
『相談者が最初に持っている”ニーズ”』など怪しいものなのです。(^_^;)



私のお気に入りだったTA社の「3つのあんしん」が3月で
売り止めになってしまいました。
私がお客様にお勧めする保険はたいてい売り止めになるのです(^_^;)
(保険会社にとって採算が合わない保険は売り止めになるのです)
しかしTA社が「3つのあんしん」を売り止め理由として
【消費者のニーズに合わなくなった】…と書いており、
その一つとして”入院免責が4日”をあげています。



たしかに、お客様のニーズとして「入院給付は初日から」というのは
ある事はたしかです。
でも、その具体的な仕組や、それに当てられる保険料を開示すると
多くのお客様は従来の”入院免責が4日”で充分と思われ
中には逆に、もっと免責日数を延ばして保険料を安く押さえる方も
決して少なくないのです。



悲しいことかも知れませんが…
我が国における、一般の消費者が持っている保険の知識は
欧米と比べても、とても低いのではないでしょうか?
これは日本人が頭が悪いという事でなく、
我が国の保険販売の長い歴史の中で
保険の内容まで考えないで契約する風土が出来てしまった
のではないでしょうか?



しかし、これからの少子高齢化・自己責任の時代に消費者は
そんなノンキな事は言っておれません。
保険会社が果たさなければならない社会的責任もあるはずです。



そんな中で”効率性”や”生産性”を優先したような
保険会社の代理店に対する戦略は
一見、消費者のニーズに対応するいうに見えても
本質的なところでは従来と何も変わっていないように、
私には見えてしまうのです。



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